猫好きの人以外絶対見ないでください

近頃よくあるこういうタイトル、何かを言っているようで何も言っていないので、どんな内容だとしても別に詐称にはならないというせせこましさが素晴らしいなあ、と常々感心していた。
そこで自分でもやってみた。どんなもんだという気分である。

しかしやったからには猫好きのための何かを書かねばなるまい。
「多重猫格アワー」なんていうふざけたブログなので日頃から猫のことばかり書いている猫ブログなわけだが、今回は、

猫暮らしをしてみてわかる猫の真実

を書こうと思う。
私は猫暮らし歴16年。宇宙一の美女ことうちの猫は16歳。つまりそういうことだ。

猫と暮らす前からもちろん猫が好きだったので、「猫とはこういうものだ」などという記述を見るたび、「ふーむそうなのか」とわりと素直に受け入れて猫知識を蓄えてきた。
が、実際に猫と暮らしてみると、聞いていた話を上回っている、と思う点もあれば、そんなことないじゃないか、という点もある。

「上回っていた」点について述べるにあたり、まずはこれがうちの猫です。

mugimugi

ギャー!!
なんなのこの宇宙史上一番可愛い生物は!

思わず出てしまったこの心の声が端的に示す通り、猫とはこうであるという知識をはるかに上回っていた点、それは

猫は想像以上にかわいい

ということだ。
近くで見るとかわいい、リラックスした仕草、どう考えても油断している行動がかわいい、など、猫暮らしをしてみないとわからないかわいさが毎日のように発見される。

時々、というかしばしばというか、猫とはこんなふうに

猛獣麦

猛獣と化すのものであるが、それもかわいい。

さらに恐ろしい話をしよう。

人間の脳が、意識無意識を問わず、常に記憶を自分の都合の良いように編集し、改竄しがちであることはよく知られている。ということは、「うちの子かわいいなあ」と思っていると、記憶の中でどんどんどんどんその姿を美化するはずだ。朝から出かけて夜帰ってくる時など、猫のかわいさは記憶の中で何割増しになっているのだろうか。そして、あー早く猫に会いたいなあと期待と喜びに胸を膨らませながら帰るのだから、「猫のかわいさ」判定ハードルは理不尽に上がっていると言えよう。

ところが、実際に見る猫の姿ときたら、美化しまくり、盛りまくりの想像よりもさらにかわいい、そうでなかったためしなど一度もないのだから驚くほかない。

つまり、

猫は毎日毎時毎分かわいくなる。そのスピードは、妄想がちな人間の記憶美化という超音速級のスピードをさらにしのぐほど凄まじい

のである。

IMG_0073

こんなかっこで寝てたりするんだからもう、ひどい。
そしてここから導かれる第二の結論は

仔猫が一番かわいいわけじゃない

ということだ。毎日毎時毎分かわいくなるのだから、年をとればとるほどかわいくなるということになる。むろん仔猫はかわいい。独特の動き、表情などたまらないものがあるが、猫暮らしをしてみると、そうしたわかりやすいかわいさ以上のワンダーワールドへの目が開かれる。

このあたりから「聞いていた話と違った」点の話になるが、よく聞く話に「猫は犬と違って孤独を好む」というのがある。「食事している時に見られたり構われるのが嫌いだ」というのも聞く。

が、うちの猫はかなり甘えん坊だ。食事もひとりで食べることはあまり好まず、見ていないと食べようとしないこともある。友人宅の猫もそうだと聞いたので意外とよくあることらしい。

これが俗に言う「ごはん食べるとこ見ないの?攻撃」だ。

ごはん食べるとこ見ないの?illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

ごはん食べるとこ見ないの?illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

振り返って、じーっと見る。それだけだが、こんな技を繰り出されたら、人間ごときに対抗できるわけはないので、「見るよ見るよもちろん見るとも〜」と、食べ終わるまでその食べっぷりと食事姿のかわいさをほめながら見守るしかない。

この事例だけでなく、猫暮らしの人々から改めて聞いた話から総合すると「猫というのはかなり個性が強く、いわゆる猫らしい性質をすべての猫がそなえているわけではない」と言えると思う。例えば、猫は総じて水に濡れるのを嫌うというし、この点うちの猫もその通りなのだが、「お風呂大好きな猫」という動画をネットで見たことがある。

そういう例はほかにも多いのだろう。

こんな猫話はまだまだあるので、またいずれ。