NOVEL DAYS それは小説の日々

小説投稿サイトとは

さて前回は、なんと、小説投稿サイトに小説を掲載しはじめた!

というところまででしたが、投稿サイトとは「NOVEL DAYS」というところです。

人類が滅びに向かうかに見える、数百年後の未来 狂気じみた技能で恐れられる人工臓器造りの名手、剣崎顕(けんざき あき) 彼女が住む砂漠の一軒家を、ある日一人の謎の客人が訪れるが……?

ホテル暴風雨の連載にやや遅れて更新しますが、章の切れ目や挿絵が少し違う、というやり方で公開しています。

「小説投稿サイト」とは何ぞや? という方もいらっしゃることと思いますが、それは読んで字のごとし。インターネット上にあり、ユーザーが自由に自分の書いた小説を掲載できるサイトです。よって当たり前ですが小説ばかり載っています。読まれたり評価された数によってランキング形式で投稿作がトップページに並ぶ形式が一般的です。

現在、とてもたくさんの小説投稿サイトがあります。私はそうしたサイトの存在を知ってからも、あまり読んできませんでした。理由はいくつかあり、雑に言えば面白いものが見つけられなかったからですが、最近読むようになっていました。

理由の一つは自分がwebマガジン「ホテル暴風雨」をはじめ、その中でも小説のコンテンツを何人かの方にお願いして執筆してもらっている以上、webで読む小説というものをもっと研究せねばと思ったから。

もう一つは、その執筆者の一人で、小説投稿サイトから商業出版デビューした小説家・芳納珪さんの影響かと思います。芳納珪さんはその作品から「物語」の構造や様式への愛を非常に感じる作家で、文章は大変平易で読みやすく、かつイメージが鮮やかで上品。読んですぐいいなと思いました。ホテル暴風雨に連載中のハードボイルドSF童話「赤ワシ探偵シリーズ」も、書籍化した「天の狗」をはじめ小説投稿サイト「エブリスタ」で連載中の作品もとても面白く、実際に知り合うまで芳納さんの作品を見つけられなかったくせに「web小説そんなに面白くない」などと言ってるのは怠慢が過ぎたというものだ、と我が身を省みたわけです。

NOVEL DAYS とは

NOVEL DAYS とは 講談社と未来創造が運営する小説投稿サイトです。

小説投稿サイトの進化・変化・栄枯盛衰のスピードは非常に速いようで、現にNOVEL DAYSでも、私が登録してからのわずかな期間の間に、同じ講談社が運営する「セルバンテス」という投稿サイトが近々閉鎖になるためそこから多数の作家が引っ越してきたり、ジャンルを問わない小説コンテストの実施がアナウンスされて多数の作品が集まったりと、動きが激しいです。今回は、あくまでも2020年4月現在、半月ばかり投稿してみての所感ですが、NOVEL DAYS がどんなところなのかを少しご案内します。

数あるサイトの中からここを選んだのは、比較的新しく始まったサイトだということ、それゆえ「このジャンルが強い」というような特定のカラーがまださほどないこと、サイトが見やすいこと、などの理由からです。

ジャンルが固まっていないとはいえ、web小説といえばライトで読みやすく、登場キャラクターや得られるカタルシスのタイプがわかりやすく示されたものが主流。その中のサブジャンルの間で人気が分かれているという感じがあり、いずれにしても私の作品が場違い感を醸し出すことは必至。どこのサイトを選ぼうと要は程度の問題なのですが、NOVEL DAYS に投稿してみたところ、意外と読んでもらえているようで嬉しい限りです。

書くばかりでは投稿サイトを利用する甲斐がないと思い他の作家の作品も読んでいますが、かなり多様な書き手がいるという印象です。書いている作品があるが、一体どのジャンルにおさまるかわからないという人には、良い場ではないかと思います。

全員が自分の作品を掲載して読んでもらいたいだけ、だとすると、投稿サイトという場から新しいものが生まれる流れは出来にくいでしょう。一方、交流する機能をただつけても、フォローされたから自分も返さないと、というような、単に一般的な人間関係を移植したSNSと化しては面白くありません。そこは工夫がされていて、読む人と書く人の交流という機能では、ログインユーザが作品に「いいね」をつけられる(誰が誰につけたかは明らかにされず、「いいね」の数だけが作品ページに表示される)、コメントを書ける(これは「ファンレター」と呼ばれ、誰が誰にコメントしたかとその内容が両方公開される)という、大きく分けて二種類のフィードバックの仕方があります。公開の「ファンレター」を見ていると、活発に交流しているのは、書いている人同士が多いようです。

「書いている人同士」とわざわざ書いたのは、小説投稿サイトは書く人のためのものでもありますが、「もっぱら読む人」にももちろん開かれているからです。読むためだけにでもユーザ登録をすると便利なようにできています。お気に入りの作品を登録しておくと、更新された時にメールで知らせてくれたり、どこまで読んだか自動的にしおりがつけられたりします。先述した「いいね」をつける、ファンレターを書く、と言った機能もログインすると使えます。良い読み手なくして小説は育ちませんが、ここNOVEL DAYSで「読む」人がどれほどいるのか、ほぼ全員が「書く」または「書き、読む」人なのか、それがよくわからないので知りたいところではあります。

ユーザー登録をしなくてもブラウザで誰でも小説が読めるのですが、このサイトの大きな特徴として、ブラウザ上に専用のビューワが立ち上がり、このビューワの設定をすると、フォントの種類(明朝かゴシックか)や大きさ、縦組み・横組みが選べる、というのがあります。これがなかなかの優れもので、小説は縦書きが断然スムーズに読めて頭に入る私のような旧式読書好きにはぴったり。現在の所、ホテル暴風雨の連載は横組みでしか読めないので、その点は「NOVEL DAYS」が大変見やすいです。

場違いも受け入れるサイトに期待

さて、ホテル暴風雨では上のような奇妙な挿絵が毎回掲載される『N生児の星』ですが、NOVEL DAYS でも挿絵が入れられるので毎回オリジナルの絵がついています。ホテル暴風雨の『N生児の星』は週一回更新、NOVEL  DAYS はもう少し小分けにして週三回更新ですので、絵の比率が高いです。実際のところ、この『N生児の星』がどれくらいの場違い感を醸しているのか、ぜひぜひ実際に「NOVEL DAYS」で読んでみてください。読むだけならば登録不要ですぐ読めます。ユーザ登録(無料で、メールアドレスのみで簡単にできます)して「いいね☆」をつけるともれなく私が大喜びする仕掛けです。大変励みになりますし、ランキングが上がることで多くの方に読んでもらう機会も広がりますので、もし読んで面白ければご検討を。もちろん読んでいただけるだけで嬉しいです。オススメの読み方(ビューワの設定)は、明朝体、縦組みです。

人類が滅びに向かうかに見える、数百年後の未来 狂気じみた技能で恐れられる人工臓器造りの名手、剣崎顕(けんざき あき) 彼女が住む砂漠の一軒家を、ある日一人の謎の客人が訪れるが……?

そして他に一体どんな感じの作品があるのか? というのも少し。

web小説界を席巻中の「異世界転生ファンタジー」、ライトなラブコメ、切なくちょっといい話、など今時様の作品はもちろん、不思議な感覚のホラーや社会派の作品、ファンタジー、ミステリ、ブラックなオチのショートショートなどかなり多様です。また、「チャットノベル」という形式で書けるのもこのサイトの特徴です。

チャットノベルとは、キャラクターのアイコンと吹き出しで構成され、主にセリフで進んでゆくタイプの小説で、LINEトークのような、このサイトで山吹丸と菫丸が話しているような感じで進行します。

山吹丸
これのことですよ 
菫丸
横着して下手な説明しないでやってみせれば早いのにゃ 

旧式読書好きにとってはかなりとっつきにくく読みにくいわけですが、読んでみるとこれはこれで面白いと思わされます。キャラクターのアイコンとセリフだけでなく地の文が入れられるのはもちろん、イラストや動画を挿入することもできて、そういう視覚表現を多用して工夫している作家もいて、小説とも漫画とも絵本ともまた違う、何か新しい表現という気がします。

この星新一SF的世界で

作家の星新一が自著の中で、「日本語は男言葉・女言葉というものがあるからセリフを連ねても誰が言っているのかの区別は比較的つけやすいが、人物が多いと紛らわしい。印刷技術が発達してカラー印刷が安価になれば、人物ごとにセリフの文字色を変えるなどの新しい形式が出てくるかもしれない」というようなことを書いていたのを思い出しました。(記憶を元に書いているので細かい表現は不正確です、すみません)

今やってるこれがそれですよ星先生! しかももはや印刷されてないんですよ!

さて、同じウイルスの脅威に世界中が同時にさらされ、互いの怯える様子をほぼリアルタイムで観測可能な中家で過ごすという、かつてないSF的事態にあって、「無人島妄想」するくらい引きこもり耐性100%の私としては、こうしていつも通り元気な近況をお伝えできるのですが、これが逆に「家に帰れない」という種類の緊急事態だったらどれほど病んでいただろうと、地震など災害で自宅を離れ、避難所などで生活する辛さが今になってリアルに想像されてきました。

出かけられない、人と会えないのがとても辛いという方もたくさんいらっしゃると思います。電話したりメールしたり、ビデオチャットしたり、ストレスがたまり過ぎないうちにできる方法でご自分に快適なつながりや距離感をキープするのが良いと思います。人と会わない・話さないなど朝飯前の私でさえ、先日ビデオチャットで「リモート飲み会」をしてかなり楽しかったので、これはオススメです。アプリやブラウザを使って無料でも使えるビデオチャットのツールはたくさんあるので、こういう時こそ利用しましょう。

特に用のないメールもいいと思います。大人になると「暇だよ〜」などの無意味なメールを送るのにはなかなかの勇気がいるものですが、そういうたわいなさもまたよいのではないでしょうか。

出かけられないどころかいつもの何倍も多忙だという方もまた多いことと思います。多分この記事を読む時間も機会もない方々でしょうし何もできませんが、もしそういう状況の中見てくださる方がいらっしゃるならば、せめて息抜きになりますように。

斎藤雨梟へのブログや小説へのご感想・ご依頼・その他たわいないメールはこのブログの「コンタクトフォーム」からお待ちしておりますのでぜひ。

ホテル暴風雨での「雨天実験塔」『N生児の星』も引き続きどうぞよろしくお願いします!!

ホテル暴風雨オーナー・斎藤雨梟の創作文章の部屋