時の記念日、虹のドレス

お天気屋さんの猫の目時計

お天気屋さんの猫の目時計

「お天気屋さんの猫の目時計」illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

お天気屋さんの猫の目時計
時の刻みも
一時間後のお天気も
全部猫の気分次第
鍵を開けてひみつの場所までこられたら
教えてあげます


さて、6月10日は時の記念日ですが、

時の記念日の由来って?

ご存知でしたか?
私は全然知らず、6月10日……何かの語呂合わせかな、それとも、量産型の国産時計第一号が発売になった日かな?くらいに思っていました。
が、歴史的な由来がありました。神話の域まで遡るものを除けば「記念日」としては最も歴史の古い部類ではないでしょうか。

時は7世紀の671年、天智天皇が時計を造らせ、日本で初めて「時を知らせた」のが、現在の太陽暦でいうと6月10日だったそうです。その時の「時計」とは「漏刻」と呼ばれる水時計で、大雑把に言えばサイフォンや砂時計の仲間のようです。水を細い管に通すと一定の速さで流れるので、でそれにかかる時間を計測の基準にしよういうものです。
日本の標準時といえば兵庫県明石市ですが、その標準時子午線上に建つ「明石天文科学館」でも同じ原理の「漏刻」を見ることができます。

古時計に虹色のドレス

そんな「時の記念日」を記念して、豪徳寺の時計屋さん「エルオクロック」店内にて、とても面白い企画展示が開催されます!

「エルオクロック」ホームページはこちらです。

「気軽に買えて使えるカジュアルビンテージウォッチ」とあるように、明るくおしゃれな店内には、60〜70年代の、少しレトロだけれど今見ても新鮮なデザインの腕時計がたくさん並んでいます。腕時計だけでなく、置き時計も扱っているほか、古い時計の修理もしてくれるお店です。私は普段クオーツの腕時計を愛用していますが、ややレトロな、昔の近未来!?のようなデザインのものを気に入って使っているので、こちらのお店のラインナップはかなり好みで隅から隅まで見ていて飽きません。

エルオクロックDM

今回の展示は、古い掛け時計を中身は使えるように修理して、外側は絵を描いて、生まれ変わらせよう!というもの。
6人の作家+時計の修理もしてくださるエルオクロック店長さんが絵を描いた7台の時計が展示・販売されます。

斎藤雨梟作「お天気屋さんの猫の目時計」写真

私は古い時計の表面も生かしながらこんなふうに仕上げました。振り子があってぜんまい仕掛け、チクタクチクタクボーンボーン!と鳴る時計です。すごく懐かしくていい音です。ガラス面をパカッと開け、文字盤の穴からぜんまいを巻くようになっています。写真だとわかりにくいですが、時計の内部(振り子のある部分)の奥にも絵が描いてあります。
他の出展者の方々の作品は全面リフォームという感じで、もっと大胆に生まれ変わっていてすごく新鮮でした。お時間ある方、ぜひ実物もご覧ください。

ちなみに「豪徳寺」駅名の由来は駅徒歩10分のところにある曹洞宗のお寺、豪徳寺。「招き猫」の発祥とも言われる(諸説あるらしいですが)かなり猫まみれのお寺です。彦根藩主、井伊家の菩提寺でもあり、彦根の大人気ゆるキャラ「ひこにゃん」のモデルと、豪徳寺招き猫のモデルとなった猫は恐らく同一猫!駅前にも大きな招き猫があり、猫散歩おすすめスポットです。